コラム
ネガティブな気持ちが止められない時にどうしたらよいか?
「気持ちが落ち込むと、延々といろんなネガティブなことを考えてしまい止められない・・」
「気づいたら、スマホを何時間も見てしまっている・・」
とても多い相談内容の一つですが、とてもお辛い状態です。
考えるのを辞めたいとはわかっていても、なかなか辞められない上にとても辛い。
無論、環境も背景も様々ですので、ここで言えることは一般論になります。
ですが、共通していることはいくつかあります。
一つ目は、「きっかけは小さなことであること。」
ほんとうに、小さな、些細な気持ちの落ち込みから、延々と膨大な時間を消費する反芻(はんすう 繰り返し続けること)は始まります。大きな原因からではありません。日々の生活のあちこちに潜んでいます。
二つ目は、小さな落ち込みから、反芻に入る瞬間には「何らかのスイッチがあること」。
その小さなきっかけから、反芻に入るときに切り替わるタイミングがあります。面接の場などでは「今スイッチ入りますね?」という瞬間が明瞭に分かることがあります。
御自身で感じるのは、心の「いらいら」であったり「もやもや」であったり、人によっては「色」などを感じたりすることもあります。そのスイッチが入るのが気づける、その前に立ち止まれることが大切です。
三つめは、「芋づる」。
スイッチが入りネガティブな考えの反芻の「ぐるぐる」が始まると、同じ落ち込んだ気持ちだった時の出来事を自動的にいくつもいくつも引っ張り出してしまいます。何故なら、記憶は感情とひもづけされることでより記憶に残るようになっているからです。ネガティブな気持ちを反芻する時間が長ければ長い程、過去の嫌な出来事をより詳細に芋づる式に思いだしてしまう事になります。
このように、芋づるになってしまうと、回復には時間がかかります。
そのために、手近な対処方法で膨大な時間を費やすことになります。
「では、どうしたら?」
個別の状況を伺って、対処を一緒に考えるのがベストですが、いくつか共通して使える対処としては、
・自分の落ち込みや反芻のパターンを観察・記録する
どんなきっかけで、どのようなことを考え、どんな気持ちになり、どのような対処行動をどれくらいの時間、一日何回行ったかが、判ることが大切です。回復してからでも良いので、ノートなどにかける範囲の記録を残してみましょう。なかなか面倒なことですが・・。
・反芻スイッチが入る前に、違う「行動」をとることで切り替える
ネガティブな気持ちを放置すれば、スイッチが入り、あとは自動的に芋づるになってしまいます。そうさせないためには、もやもやに気づいた段階で(これを気づけるのも難しい時も多いです)、何でもよいので切り替えの為の「行動」をすることが大切です。ネガティブな連鎖を断ち切ることになります。
極力体を使う事が望ましく、五感を使えればより良いです。簡単なところでは、とにかく立ち上がり、トイレにいく、お茶を飲む、手や顔を洗う、歌を歌う、長く深呼吸を繰り返す、良い香を嗅ぐ等。散歩や運動、空を見て光を浴びるなどできれば尚良いです。
これはつまり、スマホを長時間見てしまうなどの、望ましくない行動の変わりとして、選択肢を増やすことに繋がります。
・自分を責めない
ネガティブな行動を取った後に、責めてしまう事でよりネガティブな経験となってしまいます。ネガテイブな行動の後に自責がセットになっていることが多いと思いますが、責めるのでなく、「1回」とカウントし、それでも「なんとかやっているね」と自分を労ってあげてください。生き残るために、懸命にとっている行動なのですから。自責は膨大なエネルギーを奪います。
・人に話す・ノートに気持ちを吐きだす
人に定期的に話したり、文字で書きだす事で気持ちを整理できますし、頭から切り離すことができます。頭の中だけで考えていると永遠に反芻できますが、話したり書いたりですとそうはいきません。まずは「出して」、自分と切り離しましょう。
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