コラム
【性的逸脱行動】キンコメ高橋氏逮捕
今年はもう店じまい・・・と記載したのですが、どうしても気になる記事があったので。
「キングオブコメディ」の高橋氏が、20年間継続して下着泥棒の容疑で逮捕、関係者はショックを受けています、との報道です。
「性的衝動を満たすため」という一行では簡単ですが、それを20年継続していたということはもう彼の生活パターンに明確に組み込まれていたということです。
回りの人は皆、「せっかく成功したのに信じられない」というかもしれませんが、そういう「理性で制御できるレベルのことではないのです」。
無論、詳細分析は専門家の判断を待たねばなりませんが、「窃盗症:クレプトマニア」という病名がDSMという米国精神医学会の客観的診断基準にも明確に記載されています。
DSM-IV-TRでの診断基準は下記です。
1. 個人的に用いるためでもなく、金銭的価値のためでもなく、物を盗もうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される。
2. 窃盗におよぶ直前に緊張の高まりがある。
3. 窃盗を犯すときの快感、満足、解放感を感じる。
4. 盗みは怒りまたは報復を表現するためではなく、妄想または幻覚に反応したものでもない。
5. 盗みは、行為障害、躁病エピソード、または反社会性人格障害ではうまく説明されない。
そう、「物を盗む衝動に抵抗できなくなることが繰り返される」のです。
本人も悪いこととはわかっていても、止められず、被害者への贖罪の気持ちもなかったかと思います。
報道では、小学生の時のお母様の死、その後もいろいろあったと報道されていますが、どれが原因かはわかりません。
これは、彼の思いに寄り添い、どのようにその「窃盗」を学習し彼の生活の中で彼にとってメリットのある行為としてパターン化されていったかをカウンセリングでしつこくしつこく繰り返し確認し学習することが必要です。
20年間も窃盗を学習し続けていたので、抜け出すのは並大抵ではないかと思いますが、しつこくしつこくカウンセリングを繰り返していけば可能性は必ずあると思います。
性的問題への対応は、それくらいの粘り強さが求められます。
大切なのは、本当に苦しいときに「苦しい」と言葉で叫ぶ力です。
一人の人でなく、公の機関を含め、多くの人に。
もし、このHPを見ていて、問題を抱えておいでのかたがいれば、是非ご連絡をください。
あなたは一人ではありません。